生か、死か、それが問題だ
~ウィリアム・シェイクスピア~
都内のワンルームで一人暮らしを続ける年金生活者の高橋さん。心臓の持病のため長年勤めた小学校教員の職を早期退職したことがきっかけで妻とは熟年離婚、一人息子はもう連絡先すらわからない。
社会との繋がりも、人との繋がりも、一切を放棄して引きこもっていたそんなある日、日々忍び寄る未知の「死」に対する興味と、もはやその「死」を待つだけの無意味な「生」への疑問は、高橋さんを孤独な日常から引きずり出し、まるで最後の運命へと導くように、スタジオ「セレブ★スター」のワークショップ受講へと駆り立てるのだった。
しかしこのスタジオ、とにかく胡散臭い。受講生募集広告には、「最終日には、最も尊敬すべきアーティストとの出逢いを提供、その出逢いは貴方を間違いなく成功へと導く!」とある。
ワークショップ初日、高橋さんら参加者を待ち受けるのは、「セレブ★スター」主宰の秋山。セクハラパワハラなど当たり前といった秋山のサディスティックな指導で彼らの心は何度も砕かれそうになるが、それでも彼らは「尊敬すべきアーティストとの出逢い」に盲目にすがり、必死でレッスンに食らいつくのだった。
ギリギリの精神状態に追い込まれながらも人間であることの本質を問われるレッスンを通じて、高橋さんは次第に自身を待ち受ける「死」に対しては闘争心に似た衝動を、そして「死」への執行猶予期間でしかなかったはずの「生」には強い憧れのような衝動を感じ始めていく。
そしてワークショップ最終日、皆が待ち望んだ出逢いに、参加者たちの、高橋さんの心は、激しく揺さぶられ・・・
浅草九劇
梶原涼晴
高橋ひろし
北見翔
金澤健太
小池利一
関口まなと
阪井まどか
鈴木美夏
(A)
小出侑門
林田英里
深町友里恵
中野伸恵
常盤祐樹
梁取瑶
(B)
甲斐直人
秋葉七海
山本華
斉藤広大
金英里
三浦京介
舞台監督:梶原涼晴
照明:小松崎愛子
音響:三木大樹